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update.2017.02.01

ハマると戻ってこれない、ブーメランサークル「く」を訪問

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はじめまして、ザッツ・京大編集部です。
『ザッツ・京大』で、B-SIDE的な“京大らしさ”を感じてもらえればと思います。どうぞ、よろしく。

さて、京大といえば体育会系・文化系に関わらずエッジの利いたサークルが数多くあることは、みなさんも何となくご存知のことでしょう。
ということで、今回紹介するサークルはコチラ。

「半笑い同好会」ではありません。笑顔が微妙なのはシャイなだけです。注目すべきは顔ではなく、手にしているモノ。
そう、彼らは京大公認ブーメランサークル「く」のメンバー。(名称の「く」は言うまでもなく、ブーメランの形を表現)
ブーメランを知らない人はいないと思いますが、投げたことのある人は多くないはず。私も「最近ブーメラン投げてないなぁ」と言う人すら会ったことがありません。そういう意味では、かなりマニアックと言えるでしょう。
メンバーのみなさんも連載1回目に相応しいキャラ立ちした人たちであるに違いない。そんな期待を抱きつつ、「く」とはどんなサークルなのかを訊いてみました。

「人は裏切るが、金は裏切らない」という淋しい言葉が飛び交う現代社会。
しかし私たちは、裏切らないのはお金だけではないと信じています。
裏切らないもの〜それはブーメランです。
風を読み、正しく投げれば、必ず自分の元に帰ってきてくれる。
私たちはそんなブーメランを作り、投げ、キャッチしています。

いきなり深過ぎるメッセージ。
活動内容は最後の1行で事足りるところを、これだけの情報を盛り込むこの感じ、ステキです。
高い志を持っているのだなと感心し、どんな人が入ってくるのか尋ねてみると、
「やはり興味を持ってくれる人は少ないですね。なので、球技人口が少ない故、“世界に一番近いサークル”をキラーフレーズにして勧誘しています」という答え。
……意外にこっすい? いやいや、これは少しでも多くの人に新たな喜びを知ってもらいたいという、やさしさなのです。

ここで、彼らが取り組むブーメラン競技について簡単に説明しましょう。
年間4回ある国内大会で行われる競技は次の6種目。

  • ファストキャッチ:飛ばして、取るまでの時間の早さを競う
  • アキュラシー:いかに正確に戻せるかを競う
  • MTA:滞空時間を競う
  • トリックキャッチ:取り方を工夫する妙技
  • オージーラウンド:飛距離と、中心からどれくらい近い地点でキャッチできるかを競う
  •  エンデュランス:5分間で何回投げて取ってを繰り返せるかを競う

2年に1回開催される世界大会では上記6種目に加えて、4人1チームで戦う団体戦もあるとのこと。何か、カッコ良くておもしろそう。

ブーメランの形も種目によってさまざま。オシャレ感があるので、アレンジして商品化したらヒットしそう。

「く」は、これまで世界大会に5回(6名)出場しており、サークル創設者の天野さんをはじめ2名の世界チャンピオンを輩出しているのだとか。マジですごい!“世界に一番近いサークル”というのは本当だったんですね。
それでは、世界のトップ選手を生み出している「く」の活動を紹介しましょう。

2限〜昼休み〜3限の空き時間に吉田キャンパスで行う昼練の様子。遠景だと淋しげですが、現場ではメンバーの内に秘めた情熱がビシバシ伝わってきます。この日は野球部の練習が休みだったため、ここぞとばかりに一心不乱にブーメランを投げるまくるメンバー。
また月に数回、淀川河川敷や奈良、宇治などに遠征し、広い場所で思いきり練習するそうです。

投げるフォームは、スリークォーターや豪快なオーバースローなどさまざまな。力まかせに投げるのではなく、風や投げる角度、力の入れ方などを計算しているとのこと。このあたりはサークルの顧問で、理工系1、2回生向けの「力学持論」の講義を持つ、青山先生の肝いりといったところ。

経験を積むと、片足キャッチや背面キャッチなど華麗な技もマスター。「ブーメランと一体になる感覚がたまらない!」そうです。

ブーメラン作りも大切な活動のひとつ。週に1、2回はボックスでブーメラン作りに励みます。手順は、まず型をなぞって下書きをして、ザックリと切り取ります。そして電気ノコギリで慎重にくり抜く。カットが終われば、ヤスリで削り微調整をして完成。先輩メンバーによると、「伸びるメンバーほど積極的に作る」のだとか。ちょいちょい深いフレーズを入れてくるのが「く」の特徴のようです。

今回、特別にペンタゴン級に入ることがむずかしいと言われる、歴代ブーメランが保管されている倉庫に入る許可をいただきました!
ズラリと並べられたカラフルなブーメラン。中にはアポリジニーの狩猟用ブーメランや、外国人選手のサイン入りブーメランも。サークルの歴史を継承するメンバーのドヤ顔も男前です。

女子が「カワイイ〜!」と声を上げること間違いナシのアニマルブーメランを発見。やっばりコレ、うまい具合にブランディングしたらヒットする気がします。
メンバー曰く、「デザイン性だけでなく、機能性、手にした時のフィット感も重視している」とのこと。そういったブーメランへの愛が、貼り紙からも伝わってきます。

最後にみんなで「オレたちの夢、未来に届け!」と、ブーメランを遠投。
……当然のことながら、未来に届く前に自分のところに戻ってきましたけどね。

[取材を終えて]

国内唯一のブーメランサークル「く」。今回の取材で感じたのは、ブーメラン競技は想像以上にアクティブかつインテリジェンスなスポーツであること。そして、メンバーのみなさんが本当に熱心で、楽しそうに取り組んでいること。
彼らの好きなことにとことん打ち込む姿勢は、まさに“ザッツ・京大”と言えるでしょう。