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No.8

update.2017.05.16

なぜ京都大学を選んで留学したの?その理由を聞いてみた!

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こんにちは、
ザッツ・京大編集部です。

みなさん、他のザッツの記事読んでいただきましたか?
あんなこと、こんなこと、現在絶賛取材中ですので、
あんなこと、こんなこと、どんどんアップしていきますね。
乞うご期待!

さーて、今回ですが、留学生についてです。

みなさん、留学したいと考えたことありますか?
留学したことがある人も、これからしようとしている人も、留学先のことめっちゃ調べますよね。
で、その上で決定すると。

京大に来ている留学生ももちろん、めっちゃ京都大学のこと調べたと思うのです。
そこでふと思ったのが、「留学先を京都大学に決めた理由はなんなんだろう?」ってことです。

こうなってくると、直接聞くしかないですよね。
ってことで、今回は「あなたはなぜ京都大学に決めたの?」を、
留学生の方に直撃インタビューしてきました!

留学生をご紹介!


今回取材させていただいたのはモンゴルからの留学生、ジャルガルサイハン ジャルガルマーさん(ジャルさん)。ジャルさんは京大に来て3年目、現在教育学研究科で比較教育学を研究されています(※取材当時)
ジャルさんは「きずな(※)」で留学生のサポートを行う「チューター」でもあります。お仕事前の貴重な時間を使って、まずはモンゴル文化について詳しくレクチャーしていただきました!
※「きずな」:留学生ラウンジのこと(詳しくはこちら(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/about/facilities/campus/kizuna))

まずは、モンゴル式のおもてなし!

日本から遠く離れた地、モンゴル。みなさんのモンゴルの印象ってどんなですか?
大草原を馬で駆け抜ける遊牧民の姿が目に浮かびますよね。
(実は車やバイクで移動する遊牧民がいることを後で知ったのですが・・・)

その遊牧民文化を肌で感じられるよう、
ジャルさんがモンゴル方式でおもてなしをしてくれました!
まずはこれ!

  • これなんだかわかります?モンゴルの移動式住居、モンゴルの移動式住居、「ゲル」をかたどった入れ物。「本物はもちろんもっと大きいですよ!」(byジャルさん)
    この中には一体何が・・・?
  • 中には何が入っているかと言うと・・・
    落花生みたいな物体が四つ。
    これ食べ物ではないんです。
    家畜のくるぶしの骨(本物です!)
    モンゴル語で「シャガイ」って言うそうです。


「シャガイ」はおはじきのようなもので、子どもたちが遊ぶおもちゃなんだそうです。シャガイ一つにつき面が四つあり、それぞれの面が動物(馬、羊、ヤギ、ラクダ)を表しているそうです!
各動物を表す特徴があるそうなのですが・・・ごめんなさい、なにがなんだかさっぱり見分けがつきません・・・
左から、上の面が馬、ラクダ、羊、ヤギだそうです。面に凸があるのが羊、というように、凹凸が判別のカギなんだとか。(うーん・・・)
四つのシャガイで一セットですが、遊ぶときはもっとたくさん用意するそう。
日本のおはじきのようにシャガイ同士をぶつけあうゲームや、制限時間内にできるだけたくさんシャガイをつかみ取るゲーム、占いなど遊び方はさまざまだそうです。今回一セットしかないので実演できませんでしたが、遊びたい方はモンゴルのお土産屋さんへぜひLet's go!

次は、モンゴルのお菓子で、アフタヌーンティー。

そろそろ本題にと話を進めようとおもったのですが・・・いかんせん、お腹が空いて仕方ありません。
そんな広報Hを見かねてか、「モンゴルのお菓子、食べますか?」とジャルさん。
ありがとうございます、いただきます!(何しにきたんだか・・・)

  • まずはこちら。なんだろこれ・・・
    こちらは、干しヨーグルトで、「アーロール」と言うそうです。牛乳を加熱して、水分と分離させ固形物を取り出して、それを適度な大きさに切って味をつけて、干したものだそうです。こう見えて、すごく手間ひまかかっているお菓子なんです!
  • まずはにおいをかいでみます。おおお!
    大草原の香り(詳細はご想像にお任せいたします!)
    かじってみると、、コレがとにかく固い!全く噛めない!なんなんだこれ!どうやって食べるの?「なめるの」だそうです・・・

アーロールにはいろいろな種類があり、花型の可愛らしいもの、ちゃんと噛めるものもあるそうです(笑)。
遊牧民は歯みがきをしなくても、いつまでもきれいな歯をしています。その秘密は、たくさんある乳製品のうちこのアーロールのおかげでもあるとか・・・みんな歯が真っ白でしっかりしているそうです。
広報Hもこのアーロールを食べ続ければ、一生歯医者にお世話にならなくて済むでしょうか?(みなさんも、ちゃんと歯みがきをしましょうね)


お茶もいただいちゃいます!

  • ドリンクは、モンゴルのミルクティー(スーテーツァイ)をいただきました。ちゃっかりお土産分もGET。
  • 気になるお味は、ミルクティーなのですが、ちょっとしょっぱいかな。乳製品独特の香りがしますが、さっぱりと飲めます。
  • 中には麦粉やナッツのようなものが入っていて、とってもヘルシー。
    ごちそうさまでした!


馬頭琴も聴いちゃいます!

さぁ、お菓子もお茶もいただいて、まったりしたところで、いよいよ本題にと・・・
「馬頭琴、聴いてみます?」とジャルさん。
ありがとうございます、聴きます!(気になるので仕方ないよね。)

モンゴルの民族楽器といえば、馬頭琴。
みなさん、幼い頃に「スーホの白い馬」という本を読んだことはありませんか?馬頭琴の由来を描いた絵本なのですが、そのあまりにも哀しいストーリー(と衝撃的な挿絵)に、
広報Hは子どもながら涙した記憶があります・・・。まぁそれはいいとしまして、
ジャルさんが、はるばるモンゴルから持ってきた馬頭琴を演奏してくれました!

  • 基本の構えです。
    「久しぶりだから弾けるかな~?」と照れながら弾いてくれたジャルさん。
  • 気になる音色は、あ〜いい感じ、、素晴らしい!写真を撮る手も震えちゃいます。もっと聴いていたいなぁと、引き込まれるようです。

馬頭琴の弦は、馬の尻尾の毛を束ねて作られています。そのためかどうか分かりませんが、いろいろな音が混ざっているような、深みのある音色が奏でられていました。モンゴルでは一家に一台ありますが、演奏するより、お守りのように飾ってあることが多いそうです。

いやぁ、お菓子もいただいて、お茶もいただいちゃって、馬頭琴まで聴けて、
至れり尽くせり。ジャルさん、いい人だなぁ。
モンゴル文化、モンゴル式おもてなしを受けた素晴らしい取材でしたぁ。
ジャルさん、ありがとうございました!

ん?あれ?

あ!違う違う、
ジャルさん!そろそろ本題をお伺いしようと思います!
「なぜ、京都大学に留学しようと思ったのですか?」

なぜ、京都大学へ?

さぁ、いよいよ本題です。ジャルさんはなぜ、京都大学に留学先を決めたのでしょうか?
いろいろ聞いていきたいと思います!


Q:ジャルさんはなぜ京都大学に?


A:私は元々政治家になりたかったんです。
政策について勉強しているうちに、国の発展のカギを握るのは「教育」と「医療」だと気づきました。
中でも高等教育に着目し、若いうちに海外へ行っていろんな国の教育について学びたいと思うようになりました。


Q:そうなんですねぇ。


A:はい、そうなんです。
「日本は礼儀を重んじる国。そこで人間性を高め、成長してきてほしい」
という母のすすめもあり、留学先を日本に決めました。
日本語学校に通い、初めは他大学の大学院へ。そこで日本教育史を学んでいたところ、
京大に東アジア諸国の高等教育制度・改革について、国際比較の視点から研究している先生がいると知り、
熱烈アプローチ!すぐに研究計画を準備し、入試論文を書いて無事に合格しました!


すごい行動力ですね!


Q:次に、京都大学ではどんな研究をされているのですか?


A:教育学研究科で、モンゴルを含む東アジアの地域における高等教育の変化について研究しています。
他国の高等教育制度について学ぶことによって、モンゴルの今まで見えなかった、考えられなかった部分に気づいてきました。高等教育制度・改革について研究することは、自国の教育・社会に対する理解を促進することにつながります。
また、京都市国際交流協会のPICNIK(=Program for Inter Cultural Nexus in Kyoto)プログラムに参加し、
京都市の小中高等学校でモンゴルの文化や教育についての授業を実施するなど、日本とモンゴルのボランティア交流活動、社会貢献活動も積極的に行っています。


実はジャルさんは、2016年6月に京都府名誉友好大使に任命されたそう!
府内の異文化理解・国際交流事業などに派遣され、活動されているのです!

  • 中学校で実習を行うジャルさん。ちなみにシャガイは授業で大人気!面の見分け方を教えるとみんな熱心に取り組んでくれるんだとか。
  • 民族衣装を着て小学生と。「大勢の子どもたちにモンゴル文化を教えているうちに、自分もモンゴルのことをより好きに、より理解できるようになりました。」

◆京都府名誉友好大使とは?

京都府内の大学などに在籍する留学生の中で、大学の推薦を受けた方が任命されます。
研修や視察に参加し京都への理解を深めるとともに、府・市町村などの国際化行事への参加、小中学校などにおける国際理解教育への協力などの活動を通して、京都府の国際化推進を図ります。
▼詳しくはコチラ
京都府名誉友好大使任命事業の概要について http://www.pref.kyoto.jp/kokusai/10100033.html


Q:最後に、京都大学に来て良かったと思うことはなんですか?


A:そうですね。京大に来て、とても開かれた大学だという印象を受けました。
留学生の数が多く、みんな触れ合いをとても大事にしています。研究においても広い視野を持っています。
多様な文化・背景を持つ人々と接することで刺激を受けますし、そんな環境で研究できるのはとても恵まれたことだと思います。


そう言ってもらえると、なんだか私も嬉しいです!
ジャルさん!長時間ありがとうございました!楽しかったです!

取材を終えて

幼い頃から、自分の軸をしっかりと据え、いろんなことを知りたいという気持ちを追求してきたジャルさん。アルバイト、ボランティアにも積極的に参加し、日本での留学生活をエンジョイしています!
国際交流の第一歩は文化の違いに接したときの「気づき」なのかな。
ジャルさんも、さまざまな国から学生が集う京大での生活を通して、それを実感したとおっしゃってました。でも、世界の大学と比べてみると、京大の国際化はまだまだ発展途上。
今後も、地域と連携した異文化交流の促進、留学生が学びたいと思える魅力的な環境づくりに努め、さらなる国際化を目指します!

モンゴルに一度行ってみたいなぁ。
馬頭琴よかったなぁ・・・

ではまた次回のザッツで!