2023.01.25
私たちはどうして感動するのか?心理学研究からわかること
去る8月8日と9日、吉田キャンパスで「京都大学オープンキャンパス2024」が行われました。今年は5年ぶりに全学部で来場型企画を実施!
1日目は35℃、2日目は37℃という猛暑日にもかかわらず、全国から大勢の方が参加し、大盛況のうちに終了しました。
今回は、そんな暑く熱かったオープンキャンパスの様子を写真盛りだくさんでお届けします!
両日とも9時スタートにかかわらず、8時を過ぎたあたりから正門付近は少しずつ賑やかに。京大のオープンキャンパスでは、全学共通企画と学部ごとに実施する企画があり、広い構内の各所でそれぞれ開催されているため、どのように回れば効率的なのか、事前に予定を立てておくのはマスト!参加者の皆さんは木陰で開始時間を待ちながら、オープンキャンパスガイドマップを見て、ルートや時間を確認しているようでした。
百周年時計台記念館1階の百周年記念ホールでは、まず、湊長博総長の講演・応援団による演舞演奏・在学生のメッセージからなるオープニングセレモニーが開催されました。
湊総長はご自身の経験を交えながら、京大では学生にどんな機会を創出し、学生たちにどのようになってほしいかを講演。シャーレの一部に偶然発生させてしまった青カビが、世界初の抗生物質・ペニシリンの開発に繋がったことを例に、大学生活でセレンディピティ(幸運な偶然を手に入れる力)を形成してほしいとの話が印象的でした。
その後、ホール中に響き渡る太鼓の音と共に始まった応援団による演舞演奏では、日々受験勉強に励む皆さんに向けて気合いの入ったエールが送られ、会場はその迫力に圧倒されながらも拍手喝采。在学生からのメッセージでは、スライドを使って行われる流暢なプレゼンテーションに聞き入っていました。
百周年記念ホールではその後も、京大での学びの一端が垣間見られる教員講演やそれぞれに趣向を凝らしたサークル活動紹介、京大の日常の様子や魅力が聞ける在学生座談会などを随時開催!時には立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
理系・文系ごとに実施されたキャンパスツアーは、両コースとも各日120名、3回に分けて実施されました。在学生のリアルな説明を聞きながら、憧れのキャンパスを歩けるまたとない機会…これはレポートせねば!と同行してみました!!
理系学生体験ツアーでは、農学部・理学部の施設が集まる北部構内を回り、理系学部生が学生実験を行う実験室も見学。道中では、「農学部の酵母を研究するラボからは、時折パンの焼けるいい匂いがしてくる」、「建物が多く中も広いため、入学後に場所を把握するには半年かかる」など、現役京大生ならではのあるあるネタがたくさん披露されていました。また、「中学・高校の『理科室』と大学の『実験室』は全く違う」という在学生の話に、大学の『実験室』とはどんなものかと目を輝かせる参加者の皆さん。「自分が入学できたら…」と、それぞれが未来の姿に想いをはせているようでした。
文系学生体験ツアーでは、本部構内を回り、構内で発掘された資料を展示する文化遺産学・人文知連携センターの尊攘堂(通常非公開)と、法学部・経済学部の学生が授業を受ける教室を見学。最初は説明を聞きながら控えめについて歩いていた参加者でしたが、まるで映画のセットのような法科大学院の模擬法廷に入ると、明らかにテンションが上がり、感想を言い合ったり案内役の在学生に質問が飛び出したり。
歴史ある法経済学部本館の第四教室の椅子に座った時には、「硬いかと思ったけど思ったより座りやすい」、「この教室で授業を受けてみたい」と、顔を輝かせていました。
参加者がツアーに申し込んだ理由は、「受験勉強のモチベーションを上げるため」、「志望科目に迷っていて、自分の目で見て判断材料にしたかった」などさまざまでしたが、皆さん共通して、「実際にキャンパスを訪れたことで、自分が大学生になった時の姿がイメージしやすくなった」と語ってくれました。
各学部で行われた説明会や模擬授業では、各学部長からの挨拶の後、学部の概要や学生に望む人物像、得られる学び、入学試験についてなどを説明。参加者は真剣そのものの表情で、熱心にメモを取っていました。
模擬授業では、教授が普段の授業さながらの熱量で真剣に講義!大学の専門的な授業を聞いても理解できるかな…と不安を覚えるかもしれませんが、そこは大丈夫です。文系の取材スタッフが薬学部の模擬授業に参加して、「理系分野も面白い!今から勉強をし直して京大に入りたい!」と思ったぐらいですから(笑)。進路をまだ決めていない人は、今まで興味を持っていなかった分野の企画にも参加してみることで、視野が広がるかもしれません。
薬学部では模擬授業の後、研究室見学がありました。参加者はいくつかのチームに分かれて、割り振られた研究室へ。それぞれの研究領域に関わる実験を体験しました。実験室に入ると、何に使うのか見当もつかない機器や器具がいっぱい!今からどんな実験ができるのかワクワク。参加者は初めて触る本格的な実験器具におっかなびっくりといった様子でしたが、在学生たちの優しい指導のもと、実験を楽しんでいました。
建物の間を抜け、秘密基地感のある狭い階段の先に、工学部地球工学科環境工学コースのオープンラボを発見!広い実験室の各所では、騒音計を使って参加者が発する大声を計測する実演や、水の汚れをどうやって取り除くのかという実験デモなどが行われ、参加者は食い入るようなまなざしで見つめていました。
理学部をのぞいてみると、ここでもオープンラボや研究室見学が実施されていました。宇宙物理学では教授たちによるミニ講演とポスター展示があったり、動物学では、自然人類学の研究室にお邪魔して、人類の骨が成長の過程でどのように変化するのかを学びました。実際に最先端の研究の場に足を運び、具体的な内容を直接目にして耳にすることで、参加者の研究への憧れはより鮮明なものになったような気がします。
オープニングセレモニーの湊総長の講演でも、女性研究者への期待が語られていましたが、オープンキャンパスでは、女子参加者に向けた企画も充実!
工学部では「女子高校生のための工学のススメ」と題して、女子高校生・受験生のための講演会&懇談会を開催。在学生は、自分の受験や学生生活を参加者と気さくに話していました。「工学部は女子が少ないと言われるけれど、だからこそ女子同士のきずなも深くなるよ」と笑顔で話す姿は頼れる先輩そのもの。懇親会の各テーブルでも、参加者の大学生活への素朴な疑問に、明るくアドバイスを送り、すでにリアルな先輩・後輩感が漂っていました!
また、全学共通企画として「ようこそ京大へ!女性卒業生トークセッション&座談会」も実施されました。
トークセッションでは、法曹、ビジネス、研究のそれぞれ異なるフィールドで活躍する女性卒業生が3名登壇。京都という土地が持つ「好きなものをとことん突き詰める気風」の魅力や、「自由の学風」の中で自分の価値観がどのように変わったか、京大を卒業したことが自身のキャリア形成にどのようなメリットを及ぼしたか、などを話していただきました。
その後の座談会は、登壇者3名を含む5人の卒業生と在学生を交え、5グループで行われました。京都銘菓を食べつつ、丸テーブルを囲むと、自然と会話が弾みます。
アットホームな雰囲気に参加者の緊張もほぐれたのか、「文理のどちらを選ぶか迷っているのですが、どう決めましたか?」という高校生の質問に、「私は数学も物理も苦手だったけど、生物がすごく好きだったから理系に決めたよ。最終的に自分が何をやりたいのかを考えるのはどうかな?」と在学生が答えるなど、和気あいあいとした雰囲気の座談会でした。
このように盛りだくさんの企画で実施されたオープンキャンパス。せっかくなので、来場した参加者にオープンキャンパスの感想を聞きたい!ということで、突撃インタビューをしてみました!!
大阪から参加した女子高校生トリオは、「関西トップの大学がどんな感じか見てみたくて来ました。行われている研究がハイレベルで博物館もすごかった!目指してみる気になりました」と、やる気満々。
福井県から親子で参加した男子高校生は、「まだ文理の選択もしていないけど、『自由の学風』と言われる京大のキャンパスはどんな雰囲気なのか体感してみたくて参加しました。在学生交流コーナーで、直接大学生のお話が聞けてよかった」と、何かしらの気づきを得たようです。
今年のオープンキャンパスは5年ぶりの全学部来場型企画ということもあって、大盛況で幕を閉じることができました。たくさんのご来場、本当にありがとうございました!
そして、これから京大を目指す皆さんにとって、このオープンキャンパスが刺激になり、進路を決めるきっかけとなってくれたなら嬉しいです。皆さんの入学をお待ちしています!!