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No.161

update.2024.12.18

「第66回京都大学11月祭」潜入レポート 「無限の才能。略して無能」な京大生の「才能」が大爆発!?

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京大の秋といえば、そう!「11月祭」、通称NF(November Festival)。研究熱心な学生も、サークル活動に励む学生も学内・学外問わずみんなで盛り上がる、西日本最大規模の学園祭です。
第66回となる今年は11月20日(水)〜23日(土・祝)に開催!
NFは準備から運営まで学生が行い、毎年ユニークな統一テーマが設定されることでも有名ですが、今年はというと「無限の才能。略して無能」。
そんな個性あふれる京大生の「才能」が爆発した11月祭の様子をお届けします!!

趣意文より…
マクドで女子高生がな、「なんぼ才能が無限にあっても、それ発揮する人生とか世界の方が有限なんやから、ほとんど無駄になるんちゃう?そんなん端から見たらタダの無能と変わらんわけやんか。可哀想やわ」って言ってはっててんな、もうお兄さんようさん感動したわけ。確かにって声出てもうたもん。ほんまの話やで? で、ほんならやっぱり、折角やから発揮できる場の一つや二つ、あって欲しいやんか。ないんかな?って思ってたら、あんのよ。NF。これ、まさにピッタリの場なんちゃう?その才能ようけぶち撒けといてくれたら、お兄さんありがた~くネコババしに行ったるから、きばって用意しときや。頼むで?

魂を込めた声が夜のキャンパスに響く!応援団による「前夜祭」企画

NFの本祭にさきがけて、11月19日(火)の18時30分から吉田南グラウンドで前夜祭が行われました。会場には模擬店が立ち並び、あちこちから食欲をそそるいい香りが……。5限目の授業を終えた学生や地域の方々が続々と集まり、思い思いに空腹を満たしていると、突如ステージから大太鼓の音が! お祭りのスタートを告げる応援団の演舞です。迫力ある演舞に会場のボルテージは急上昇。次々と続く応援団の熱いパフォーマンス、本祭への期待と気合いが高まって、みんなの顔がどんどん輝いていきました。

お楽しみが盛りだくさん!「自分だけの11月祭」を見つけよう

そして20日(水)10時00分、秋晴れの中、いよいよNF本祭がスタート!
模擬店企画に屋内企画、グラウンド企画にステージ企画、本部企画と、構内では多種多様な企画が目白押し。4日間を通して模擬店や屋内企画などはほぼ毎日出展していますが、ステージ企画はこの日この時にしか見られない催しもあり、11月祭事務局が運営する公式サイトの事前チェックと11月祭のパンフレットをゲットすることをおススメします。

全部を取り上げることはできませんが、ここからは企画ごとにその様子を紹介していきます!

これぞザ・学祭!バラエティー豊かな「模擬店企画」で食べ歩き

まずは、お祭りに欠かせない模擬店。NFでは、本部構内と吉田南構内になんと117もの模擬店が出展し、周囲は大勢の来場者で賑わっていました。

部活やサークルのユニフォーム、衣装、かぶりものなど、いろいろな格好をしている人がお店に立っていたり呼び込みをしたりしていると、まさに学祭、ザ・お祭り感があって楽しいですよね。

料理のジャンルも、焼き鳥や焼きそばといったオーソドックスなものから、健康面や環境面に配慮したヴィーガン料理のお店ではコロッケが売られていたり、自分たちで育てたお米を使った焼きおにぎりなど、こだわり抜いたプロ顔負けの逸品まで実に多彩。いずれも食べ歩きに適した手軽な量で、ついついハシゴをしてしまいます(笑)。

中には開始1時間前から行列ができ始め、なんとお昼頃には完売という大人気の「カレー」も!

その振り幅も「無限大」。多種多様な「屋内企画」!

京大らしさ満載の屋内企画。ゼミやサークル、ボランティア団体などが日頃の活動の成果を展示しているかと思えば、お化け屋敷や巨大UFOキャッチャー、リアル謎解きなどのアトラクション、マジックや落語などのステージもあったりする、まさに何でもあり! な才能の見本市のような企画です。

建物の吹き抜け空間を使い巨大UFOキャッチャーで風船をキャッチ!
普段はなかなか見られないのでは!?本格的なマジックショー
NF書展では、冨嶽三十六景《神奈川沖浪裏》を書字で描く個性的な作品も展示されていたり
学生が制作したオリジナルゲーム。ドーナツに穴をあけるといったシンプルながらも中毒性のあるゲームで、編集部員も大盛り上がり
2万パーツのブロックで緻密に再現された京都駅のジオラマ
1枚の折り紙で作ったとは思えない折り紙作品たち

中には、思わずどうやって作ったの? と聞きたくなるような凄技の展示や、本当に学生が作ったの!? と目を疑いたくなるようなクオリティの高い展示も。京大生の本気、恐るべし。

ドームも投影機もまさかの手作りというプラネタリウムは、ひっきりなしに整理券をもらう人が来るほど大盛況。落研は高座もさることながら、道ゆく人にお題をもらい、即興のなぞかけを披露して笑いを誘っていました。

おっ? と思ったら即立ち寄りたい! みんなの「好き」があふれる、「グラウンド企画」

対するこちらは屋外企画。「グラウンド」とはいうものの、構内の至る所に出展されているので、移動する道すがら、「おっ」と思う面白いものに出会うことができます。アカペラ・ライブ演奏・大道芸・ヲタ芸などのパフォーマンスのほか、手作り品の販売、動物との触れ合いなどなど。こちらにも京大生の「好き」がいっぱいです!

オリジナル陶器の販売では、陶芸に一家言ありそうな一般のお客さんが真剣な眼差しでお気に入りを探したり、似顔絵屋さんでは、目の前でささっと描き上げてくれた似顔絵に笑顔を浮かべたり。

文化部や文化サークルの企画が多い中、的に当たると景品が当たるアーチェリー射的、乗馬体験など運動部の企画もありました。実際に乗馬を体験した人にお話を聞くと、「馬の背に乗ると思ったより高かった! まさか学祭で馬に乗るなんて! 面白かったです」と、大満足の様子。

熱意と心意気で「京大」を伝える、受験生や地域の人にも人気の「本部企画」

冒頭でNFは準備から運営まで学生が行うと書きましたが、その学生たちが「京都大学11月祭事務局」。この4日間だけのために青春の貴重な1年間を注ぎ込む、使命感に燃えたNFの立役者です。
そんな彼らが実施する企画が「本部企画」。特別ゲストのライブやスタンプラリーなど、いずれも11月祭事務局による本部運営ならではの気合いの入った企画ばかり。特別ゲストによる講演では、学外講師として作家の藤岡陽子氏が登壇し、新聞記者から作家に転身したご自身の経験をふまえて「言葉の力、伝える力」について語ってくださりました。

「NFを機に京大の雰囲気を味わってみたい」という受験生にぴったりの企画もたくさんありました。受験に役立つ情報が盛りだくさんの冊子『カンフル』などを販売する、そのものズバリな「受験生企画」のほか、スタッフと一緒に構内をめぐるキャンパスツアーや、研究や卒業後のキャリアなどについて話が聞ける「京大 Talks」なども。

「ステージ企画」ははずせない! 大歓声が飛び交うパフォーマンス

11月祭をさらに盛り上げるのは、ステージ企画! 本部構内のクスノキ前特設ステージや、吉田南グラウンドのおまつり広場ステージでは、音楽ライブ・ダンス・漫才など連日さまざまなパフォーマンスが繰り広げられました。

クスノキ前特設ステージを通りがかった時は、ちょうどダンスステージの真っ最中。エネルギー全開、リズミカルな音楽に合わせて楽しく踊る姿が格好良く、観客からは自然と歓声が上がっていました。

おまつり広場ステージでは、アコースティックからロック、アニソン、アカペラ、口笛(!?)まで、幅広い音楽ライブがありました。ここまでジャンルの入り乱れたライブって、学園祭などのイベント以外でなかなかないのでは? 一緒に歌ったたり、模擬店グルメを片手に聴き入ったりと、ステージ前の席は常に満員状態でした。

他にも古武術や中国舞踊などの演舞、縄跳びパフォーマンスやダンスなどもあり、会場を沸かせていました。カラフルな和風の衣装を纏ったよさこいでは、その圧巻の演舞と作り込まれた世界観に感動。会場は拍手で包まれました。

みんなのグルーヴがひとつに燃え上がる。フィナーレを飾るのはやはり「FIRE」!!

楽しい時間はあっという間に過ぎ、いよいよ最終日。すっかり日も暮れた20時45分頃、おまつり広場ではNFの最後を飾る恒例の「FIRE」(キャンプファイヤー)が行われました。 組まれた薪の周りに大勢の人が集まり、その時を待ちます。
そして、カウントダウンが始まりました! 全員が大きな声で、「5! 4! 3! 2! 1! FIRE!」。
すると、バチバチバチっと、導火線に火が走り、会場からは歓声が、打ち上がる花火とともに勢いよく炎が燃え上りました!!

炎に照らされた表情に浮かぶのは、やり切った充実感か、楽しみ尽くした満足感か、仲間と共有する感動か。すべての想いがひとつの炎になって、夜空に向かって伸びていきます。

今年も大盛況のうちに終幕した11月祭。今回、ほんの一部しか紹介することができませんでしたが、本当はまだまだ伝えたい見所がたくさん! まだ参加したことがないという方や興味を持った方は、ぜひこの盛り上がりを体験しに、次のNFへお越しください!