2017.03.01
365日火山愛!火山と向き合う人、の巻

Campuslife
No.171
update.2025.09.24
京大の8月と言えば、オープンキャンパス。全国から受験生や高校生、保護者の方が参加し、今年も大盛況でした。しかし、遠方からだと京都に行きづらかったり、参加が難しかったりする方もいることでしょう。
そんな方のために、本学では、京都を飛び出し「miniオープンキャンパス」という進学説明会を各地で開催! 今年は、8月17~18日に名古屋で、30~31日に東京で実施し、連日200名近くの来場者がありました。今回は、東京会場の様子をお届けします!
会場には受験生だけでなく、保護者の方も多数来場。受付では京大特製トートバッグが配布されました。




miniオープンキャンパスのスタートを飾ったのは、入試を担当する職員による大学概要・入試制度の説明です。京大の成り立ちから入試制度の詳細までを幅広く紹介。
京大には、「研究型大学」と「自由の学風」という2つの大きな特徴があることをご存知ですか? 京大は今から128年前、日本が急速に近代化を進め、諸外国に追いつこうとしていた明治時代に研究者養成の拠点として創立。研究者として新しい発見をするためには、常識にとらわれない自由な発想や挑戦が必要であることから、自由の学風が築かれたと職員は語ります。
「どれだけ賢い人でも、常識の枠内だけで物事を考えていては新しい発見は生まれない」、「新しい研究を始めるためには、自由な学びの環境を準備することが大切」。
学生一人ひとりが自分の関心に従って学び、研究テーマを追究できる環境は、設立以来変わらない京大の伝統であり、多くの優れた研究成果を生み出してきた土台であることが伝わってきました!
また、専門性の高さについてもじっくり語ってくれました。京大では入学時に学部が決まっているため、1年生から専門分野の学びに深く踏み込むことができます。幅広い専門領域をカバーする10学部を持ち、一方で、学部や文系理系の枠にとらわれない授業選択も可能です。自分が興味のある分野に早い時期から触れられる、また分野を超えて追求できる環境は、学生にとって大きな魅力の一つでしょう! 参加者の表情も、これからの学びへの期待にキラキラと輝いていました。


続いて、入試方法について詳しい説明がありました。参加者の真剣さは一層増し、熱心にペンを走らせる様子が印象的でした。京大の入試はいたってシンプル! メインは「一般選抜」と「特色入試」の2つです。
特色入試は総合型選抜と学校推薦型選抜の総称。一般選抜より時期が早く、各学部で選抜方式が異なり、募集人員も少数なので、受験を希望する際には早めに学部を決定しておく必要があります。
そして、一般選抜は大学入学共通テストと個別学力検査(二次試験)による通常の入試で、大半の受験生が一般選抜を受験します。それぞれの入試方法に特徴があるので、募集要項をよく読んで、自分にあった受験方式を選んでみてはいかがでしょうか。



受験時から合格後に新生活を始めるまで、あらゆる場面で手厚いサポートを提供する京大生協! 特に遠方から受験に臨む学生に対しては、不安を少しでも和らげ、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、さまざまなカタチで支援をしているとのお話がありました。
受験期間中は宿泊先や移動手段の確保など、心配事がつきません。京大生協では、地方から京都に来る受験生のために入試期間中に利用できるホテル情報を発信し、宿泊先探しの負担を軽減しています。さらに試験当日には、ホテルからキャンパスへの連絡バスを運行。道に迷う心配がなく、安心して会場に向かうことができるとあって、とても人気のようです!
さらに、受験のプレッシャーを和らげるため、現役の京大生が宿泊先のホテルを訪れ、お悩み相談会を開催することも! 京大生協は、受験生が自分の実力を最大限に発揮できるような環境を整えるために、あらゆる面からサポートしていることがわかりました。
また、入試を乗り越え、晴れて合格をつかんだ学生が安心してキャンパスライフを過ごせるよう、住まい探しも手厚く支援しているそう。京大生協公式ホームページなどでも住まい探しに関する案内が発信されているので要チェックです!
大学の授業をわかりやすくコンパクトにまとめた教員講演も実施されました。2日間に分かれて、それぞれ文系・理系の教員が登壇。この日は理系教員による6つの講義が行われました。京大のミニ授業を受けられるまたとないチャンス……! ということで、様子をのぞいてみることに。

まず、参加したのは、医学部人間健康科学科の講義。学科の概要や入試方法の説明からスタート。そして、待ちに待った講義のテーマは「脳細胞や仕組み」。 難しそうな内容に少し面食らってしまいました(笑)。参加者たちも最初は硬い表情を見せていましたが、講義が進むにつれて、目が生き生きと輝きます。
特に面白かったのは、同じものを見ても、人によって感じ方や解釈が違うという話。たしかに、同じ映画を観ても、感動するポイントが違ったりしますよね。この「十人十色」の感覚こそ、脳の情報伝達の仕組みが深く関わっているようです。
そして、脳からの情報伝達の仕組みを理解することが、さまざまな病気のリハビリテーション分野の発展につながっていくそうです。高校生など若い世代には、近い将来に研究者として科学の最前線で未来を築いていってほしいという思いが伝わってきました。

次に受けたのが薬学部の講義です。この日のテーマは「未来を拓く薬学~がんと認識の新しい薬~」で、教員の研究分野は「セラノスティクス」。……? 初めて耳にする専門用語に思わず身構えましたが、丁寧でわかりやすい解説のおかげで、知識がなくてもすんなり理解できました! 「セラノスティクス」とは「診断(Diagnostics)」と「治療(Therapeutics)」という言葉を組み合わせた造語だそう。患者一人ひとりの病気を正確に診断し、その診断結果に基づいて最適な治療法を選択するという、新しい医療のあり方を目指す研究分野です。このセラノスティクスに対応する薬の開発に日々取り組んでいると語ってくれました。大学の講義さながらの熱量で、参加者たちも真剣な眼差しで聞き入っていました。その場には、知的好奇心を刺激する良い緊張感が漂っていて、まさしく最先端の科学に触れる貴重な時間となりました!




その他にも、理学部の教員による「貝類の化石の多様性と生物進化」や、農学部の教員による「戦後日本における食生活の変化とアメリカ農産物」など、多彩なテーマの講義が行われました。今回の講義を通して、未来を変えるようなワクワクする研究がたくさんあると知って、難しいテーマも楽しく学べることに本当に感動しました。参加者にとっては、大学生活をより具体的にイメージできる絶好の機会になり、期待も高まったことでしょう!

会場には個別に質問できる個別相談ブースも設けられていました。入試担当職員、京大生協、学部別、学生相談の4つのコーナーがあり、それぞれの気になることをじっくり深掘りして聞けます。


入試担当職員のコーナーには、たくさんの保護者・高校生たちが訪れ、現在の成績と入試への不安に関する相談が多数寄せられました。職員の詳細かつ丁寧な説明が、不安を和らげていたようです。また、京大生協のコーナーでは、下宿について質問する保護者の姿が多く見られました。職員が地図を広げながら親身に対応し、相談者が安心している様子に、出張オープンキャンパスならではの対面による説明の大きなメリットを感じました。

そして、高校生に特に人気だったのが、在学生による学生相談コーナー。「学校の問題集と自分で購入した受験対策用の問題集をいつ切り替えるべきか?」、「京大受験に向けてのモチベーション維持方法は?」など、高校生らしい率直で具体的な質問が飛び交います。在学生が質問に答え、和やかでありながらも有意義な時間が流れているのが印象的でした。
詳細な入試説明から教員講演まで、充実したプログラムが提供されたminiオープンキャンパス。京都から離れていても職員、教員、そして在学生の生の声を聞くことで、きっと参加者の皆さんにとって京大への理解を深める貴重な時間となったのではないでしょうか。そこで、せっかくなら「参加者の生の声」を聞きたいと思い、突撃インタビューをしてみました!
学校帰りに制服で訪れた東京在住の高校1年生からは
「学校の掲示板でイベントのポスターを見かけました。学生相談コーナーで受験勉強のモチベーションの高め方を質問したところ『問題集で間違えたところに日付を書き込み、後日解きなおして正解したときに成長を実感する』という具体的なお話を聞けたのが良かったです」
と満面の笑顔を見せてくれました。
東京大学や東京科学大学など、複数の大学のイベントに参加している高校2年生は
「京大の特徴である『自由の学風』について理解できたのが大きかったです! また、興味のある工学部についての講演にも参加し、何をやっているのかを具体的に知れました」
と語ってくれました。
また、中には北海道から来場した親子も。
「同級生の志望校はほとんどが関東圏どまりで、関西を志望する子が少なく、情報が入ってきづらいんです。今日のイベントで、インターネットだけではなかなか分からない情報を対面で聞けたのがうれしかったです。入試制度も具体的に知ることができ、受験のモチベーションになりました」
と話してくれ、出張オープンキャンパスの意義をあらためて実感しました。
名古屋、東京と2会場・4日間にわたったminiオープンキャンパスは、大盛況で無事終了しました。足を運んでくれた皆さん、本当にありがとうございました。
今回のイベントが、受験生の皆さんにとって、これからの受験勉強の大きなパワーとなることを願っています。また、今回参加できなかった方も、国公立大学と私立大学の合同進学イベントや入試ガイダンスが10月にも各地で開催されますので、是非参加してみてください(詳しくは、公式ホームページのEVENTSをチェック!)。京大でお会いできる日を楽しみにしています!