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No.9

update.2017.03.01

開学100年以上にわたって大切に蓄積してきた、研究の証=宝ものが詰まっています!

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こんにちは、ザッツ・京大編集部です。
では、今回のザッツスタートです。

こちらの施設を知ってますか?
実は、博物館なんです!(よく見ると、写真に写ってますね…)
今回は、京都大学、開学100年以上にわたって大切に蓄積してきた、研究の証=宝ものが詰まった、
博物館をご紹介します!

「京都大学総合博物館」(以下、総合博物館)は、開学100年以上にわたって収集してきた貴重な学術標本資料260万点を収蔵し、第一線の研究・教育活動への活用と、また、その成果の公開を目的に作られました。収蔵庫、研究棟、そして大規模な展示スペースを備えた日本最大規模の大学博物館です。

展示のみならず、イベントや学習教室、インターネットなど、様々な手法を駆使して、貴重な研究成果を世界に向けて発信する、日本初の本格的「社会に開かれた大学の窓口=ユニバーシティミュージアム」です。
今回は、総合博物館をクローズアップし、その魅力にとことん迫ってみたいと思います。

大野館長とスタッフに聞く、「総合博物館ってこんなところ!」


左から、本川雅治 准教授、岩崎奈緒子 教授、中川千種 事務補佐員、大野館長

まずは、大野照文総合博物館長とスタッフのみなさんに、博物館のアレコレをお聞きしました。みなさんお忙しい中にこやかにご対応いただきました!(※所属、職名は取材当時)

Q.大学の博物館の特徴や意義ってなんでしょうか?
大野館長:大学の博物館である意義は、なんと言っても展示物のすべてが、京大の研究者の長年の蓄積の証である「貴重な学術標本である」ということ。ベースが研究である、ということです。様々な研究成果の足跡が、ここに集約されているわけです。
難しいイメージのある研究を、威厳を保ちつつ一般の方にも親しみを持ってもらう。距離感を縮めながらも、すごい!と思ってもらう。そのバランスがなかなか難しいところです。

Q.総合博物館にはもりだくさんの展示品がありますね。
本川:開学以来100年以上もの間、教員がやってきたこと、いわば1,000人以上もの人が人生をかけてきたものが、ここにあります。大学の財産として残ってるモノを博物館でどう継承していくか? それを常に考えています。

ところで、なぜ、「総合」だと思いますか? そもそも「博物館」自体が、何でもありの場ですよね。そこにさらに「総合」って変だと思いませんか・・・?
総合博物館の「総合」の意味は、「なんでもある」を意味しているわけではなく、「展示から研究まですべてを積み重ねていく」という意味で「総合」なんです。総合博物館は、博物館の可能性を試しているんですよ。

Q.常設展ではカバーできない研究分野はどうしてるのですか?
大野館長:例えば医学など、カバーできない分野は、補填として企画展をやっています。ある共通テーマにまつわる、様々な分野の研究を集合させています。
総合博物館をきっかけに繋がった異分野の研究者もたくさんいます。展示だけでなく、分野の違う研究者を繋いだり、ヒトとモノをつなげる可能性も。様々な世界観の交換をできる場でもあるんです。
だから、総合博物館は、「癒やし系かつ出会いの場系」!(笑)

中川:本当に、京大にはおもしろいヒトがたくさんいます。モノのおもしろさだけでなく、この「ヒト」も伝えていけたらいいなと思ってます。(ホントにおもしろい人多いです!by編集部)

Q.他に大学の博物館ならではの特徴はありますか?
岩崎:特に文化史展示の特徴は、前身の文学部博物館時代以来、「博物館の収蔵品を基盤に研究した展示であること」です。今まで埋もれていた資料を研究し、新たにわかったことがらを展示するのです。だから、そういう研究展示を一つ担当するとヘトヘトで、それはもう大変(笑)

Q.子ども向けにも、いろいろな取り組みをされてますね。
大野館長:社会に向けた取り組みは、早くから着手しています。夏休み学習教室や子ども博物館など、広く社会に向けた取り組みを積極的にしています。博物館は、みんなが「学問の楽しさとはなにか?」を知れる場。そういった意味では、子どもだけでなく、大人も、現役の研究者にもどんどん来て欲しいですね。

最後に一言お願いします!

大野館長:総合博物館は、常に博物館の可能性に挑戦しています。

ぼくが思うに、「研究を本当にしている組織は明るい!」んですよ。そんな明るい京大の研究の素晴らしさ、価値をもっと多くの人たちに知って欲しいですね。そして、まだまだ存在する未開拓な部分を、もっと発見していきたい。それが博物館の目指すところです。
みなさんの博物館への愛をひしひしと感じるお話でした。そんな宝箱のような、総合博物館の施設内部を一部紹介します。

施設内部にズームイン!

施設内には、京都大学が開学以来100年以上にわたって収集してきた貴重な学術標本資料260万点を収蔵しています。 文化史、自然史、技術史の広い分野にまたがる教員が在籍し、世界に発信できる研究成果を出すべく、日々取り組んでいます。

常設展、企画展示スペース他
1階
1階には、主に自然史系展示と、文化史系(考古学)展示があります。

2階
2階には、主に自然史系(昆虫他)と、文化史系(地理・日本史)、技術史などの展示があります。企画展示があるときは、このフロアで実施されます。

とにかく展示品が盛りだくさんです。何度来ても、新しい発見がありそうです。
・・・そしてなんと! 今回は特別に、地下の収蔵庫を館長直々に案内してもらいました。

総合博物館の「地下収蔵庫」に潜入!

総合博物館が創立から収集してきた数々の学術標本資料の中には、国宝、重要文化財、タイプ標本、バウチャー標本が多く含まれており、収蔵庫で大切に保管され、研究や教育のために活用されています。とにかく、貴重な資料がここにたくさん眠っているのです。

(左)収蔵庫への来訪者が記帳をするブック。1995年分から記帳があり、世界各国からの来訪者が。中には有名な先生のお名前も。(中央・右)植物の「タイプ標本」の所蔵棚。赤帯は新種の証拠。「Type!(新種)」と書かれたものが多数


(左)様々な動物の骨の標本。(中央)中には絶滅動物の卵の化石も!(右)生物模型の数々。ヨーロッパでは、この模型がアールヌーボーに影響を与えたとか。たしかに、斬新な美しさはまさにアート!


(左)医学で使われていた本学初の心電図計。(中央)医学で教材として使われていた、ろうの標本「ムラージュ」。とてもリアルなつくり。(右)薬学の所蔵棚には、貴重な薬がたくさん

学術資料だけじゃない、総合博物館では子ども向けの楽しい企画がいっぱい!

総合博物館では、学術資料の展開だけでなく、子どもたちに難しい研究をわかりやすく楽しく伝えるために、工夫をこらした取り組みを行っています。
過去に実施されていたことをご紹介しますね。

~夏休み学習教室「体験EXPO2013'夏」レポート!~

そんな取り組みの一つが、さまざまなプログラムを用意し、子どもたちに学ぶ楽しさと喜びを体感してもらう夏休み学習教室「体験EXPO'2013」。13回目を迎えた今年は、五つの新しいプログラムを含む14プログラムが組まれました。その新しいプログラムのうちの二つを紹介します。

「4次元デジタル宇宙シアターで宇宙を3Dで体感しよう!」


(左)参加者はこの3Dメガネを装着。なんだかワクワク。(中央)青木成一郎 理学研究科附属天文台教務補佐員による説明の後、宇宙の世界へ。(右)青木教務補佐員の解説を聞きながら、4次元の最新宇宙の驚くべき姿を体感。「飛び出す星を触ってみよう!」と声をかけると、子どもたちが元気に手を差し出して、3Dで飛び出す星を触る場面も

「「わーーっはっはっは!善はいそげ」 ~狂言にチャレンジ!~」


(左)まずは、大蔵流狂言師の松本薫先生が大きな声で「わーっはっは!」と笑う見本を伝授。ポイントは、おなかの底から息をはきだすこと!(中央)初めは緊張していた子どもたちも徐々にリラックスして、声を出して笑えるように。(左)狂言の舞台の仕組みにみんな興味津々

そのほかにも、こんなさまざまな取り組みを行っています!
子ども博物館
研究のおもしろさを体験できます。毎週土曜日開催(10時00分~16時00分)
レクチャーシリーズ
本学の研究者が中心に講演をします。月1回土曜日開催(10時30分~12時00分)
参加した子どもたちの中から、未来の研究者が生まれるかも!

まさに京都大学の宝ものがぎゅっと詰まった総合博物館、いかがでしたか?
単なるモノの展示だけではなく、「モノをとおして、それにまつわるヒトや思い、背景にあるストーリーまでを来館者に伝える」ことに、総合博物館は常に挑戦しています。
この世に未踏の学術領域があるかぎり、そしてそれを探究するすばらしい研究者がいるかぎり、総合博物館はこれからも進化し続けます。可能性無限大の総合博物館へ、ぜひ一度足を運んでみてください。

利用案内

開館時間
9時30分~16時30分(入館は16時00分まで)
休館日
月曜日、火曜日(平日・祝日にかかわらず) 、年末・年始(12月28日~1月4日)
観覧料
個人観覧料:一般 400円、高校・大学 300円、小・中学生 200円

取材を終えて

博物館って子供のころ行ったことあったかなぁ。こんなにいろんなものが詰まった場所だったとは思わなかったですね。もっと難しいものだと思ってました。不思議な展示物も満載で、
すごい楽しめました。京都大学の研究の歴史が詰まっているこの施設は、
これこそ、まさにザッツ京大!でしょう!