2017.03.01
京都大学のシンボルはやっぱり時計台!
こんにちは。
「ザッツ・京・・・・・・。
・・・・・・チキチキチキチキチキ・・・・・・
えっ? あっ? がっ?!
・・・・・・ブーーーーーッ・・・・・・
・・・・・・あらためて、こんにちは。『ザッツ・京大』編集部です!
今回は、京都大学クイズ研究会「Mutius」(以下:ムティアス)を取材してきました!!
ちなみに、今回、言いたいこと。それは、
そして、
突然の取材にも関わらず、快くクイズの魅力を伝えまくってくれたのは、このお二人。
宮原会長と大橋副会長です。ありがとうございます!
今回、取材にうかがった、クイズ研究会「Mutius(ムティアス)」は、1989年創立。現在メンバーはおよそ60名。一回生から大学院生まで各世代が広く参加しているとのこと。
ムティアスで、一番の推しメンは?と聞くと、会長、副会長ともに即答で、
その理由について、お二人、曰く、
・・・・・・ええっ?? ひゃくまんえん?!
確かに、ムティアスのホームページの「大会成績」にも書いてあります・・・・・・。
宮原さん「『99人の壁』というテレビ番組は、解答者が99人を相手に早押しクイズで戦うんです。自分の最も得意なジャンルで。彼は、そこで5問連続で正解して、見事100万円を獲得したんです」
んなんとっっ!! それはすごい!!! ・・・・・・ところで、興梠さんの得意ジャンルとは??
・・・・・・ミスター切手か。要チェックやで・・・・・・。(メモメモ)
さらに、その「大会成績」を見て行くと、
など、明らかに強豪感あふれる文字が。
ちなみに、『abc(えーびーしー)』は、大学生以下が参加できる一番大きな個人戦で、一番大きな団体戦が『EQIDEN(えきでん)』とのこと。
そこで、優勝とか準優勝って・・・・・・やっぱりめっちゃ強いじゃないですか。
ところで、クイズの「強さ」って何なんでしょう? きっと「知ってる」だけじゃないんだろうなと思いつつ、イマイチ想像がつきません。実際、話を聞いていくと、お二人からは「先読み」、「経験・慣れ」、「指の早さ」といった言葉が出てきます。
宮原さん「例えば、ひとつには、問題を読む人の声の「調子」を聞き取って、答えを考えるみたいなことですね」
大橋さん「つまり、問題のどこに抑揚がついたかで、その後の答えがわかるというか」
ハテナだらけの私に大橋さんがさらに説明してくれます。
大橋さん「例えば、「日本で一番高い山は富士山ですが」という問題が出たとします。でも、それだけだと、その後に続く問題が何かはわからない」
・・・・・・ふむふむ。
大橋さん「でも、仮にその問題文の「一番」のところに調子がついてると、経験者にはわかるんです。
つまり、「二番目に高い山」を聞かれるんだなと(答:北岳)」
・・・・・・えええっ?!
大橋さん「でも、「一番“高い”」に調子がつくと、その後は「一番“低い”」を聞かれるんです。これは、『日和山』が正解です」
・・・・・・うおおお!! なるほどっ!! 目からウロコの私をよそに、宮原さんはにこやかに頷いてます。
宮原さん「うん。もしくは「日本で」に調子がつくとか。そうすると、その後には「世界で」を聞かれるという」
・・・・・・説明はめっちゃわかりやすいです! しかし、その思考回路、普通の人は、なかなか日常生活で出会う機会はないんじゃないかと。。
思い出しました! 昔、テレビでクイズ王が
だけで正解していました!
あれ見て本当に驚いたんです! クイズ王すごいっすよね!!
宮原さんがまたもにこやかに。
宮原さん「そうですね、アマゾン川『で』と言ったら、それは、
になるので。普通は、起こる方、
になりますよね」
・・・・・・(パクパク)。ああ。せ、正解です。クイズ王もそう答えてました。。
そして、大橋さんもやさしく補足。
大橋さん「それは助詞の「てにをは」で答えが決まるというものですね」
・・・・・・時代は進み続けている・・・・・・さようなら、私のクイズ王(本名覚えてないけど)。
注:【ポロロッカ】
アマゾン川で起こる、潮の干満による川の逆流現象のこと。この波でサーフィンした人もいるとか。
さらに、「早押し」ならではの技術、「早押し」のルールにも、さまざまなものがあるとのこと。誤答がある程度許容されるルールや、誤答するとそれまでの正解数がリセットされたり、失格になったりするものなどなど。
「つまり、その時のルールや、マル(正解)・バツ(誤答)の状況で、取るべきリスクが変わるんですよ。クイズって。でも、ライバルより早く押さなきゃいけないので、どのタイミングで問題を読み切って「押すか」という、リスクとのバランスも常に考えるんです」
・・・・・・どうやら、あるレベルに達すると、知識だけでなく、技術や戦略が重要になるようです。
などなど。
・・・・・・ボタンを押すまでの、あの一瞬の間に、どれだけの思考と判断をしているんですか・・・・・・。
なんだか、脳やら首筋やらがぞわぞわしてきました。こうなるともう、実戦を見るしかない!!! ということで、ムティアスのミニ大会にお邪魔することに!
初めての取材から3日後、行ってきました、その名も
新歓の流れからか、なごやか~な大会名。
今回は例会の時間(18時~21時)を使って開催されています。少し早めに会場に入ると、「撮りますか?」と宮原さん。その指さす方向には・・・・・・。
そして・・・・・・いました! クイズ界で、今、最も熱い男。
開始前の数分間、少しだけお話を聞くことができました。
「ミスター切手」、めちゃくちゃ、さわやかじゃないですか!
さて、そうこうしているうちに、開始の準備が着々と。まずは、ペーパークイズの案内と問題配布がはじまりました。お言葉に甘えて、私も問題をもらいます。
ちなみに、本日のミニ大会の概要はざざっとこんな感じです。
・・・・・・なんか「ミニ大会」というかわいいフレーズとは裏腹に、かなり、しっかりした構成です。少しずつ普通の「ようこそ」感から離れていっているのは、気のせいです。
おっと。早速、ペーパークイズが開始しました!!
ちなみに、このペーパークイズは、10分で50問。なかなかのスピードです。
さて、ペーパークイズの結果発表!
トップ通過は、折井さん!!・・・・・・と思いきや・・・・・・
待ったをかけたのは、この人、小松さん。あの・・・・・・折井さんって、個人戦最高峰の「abc」で準優勝の方ですよね!? ペーパークイズだけとはいえ、その上を行く?! なんだか、すごいことになってきました。。
・・・・・・えっ? 私のペーパークイズですか? いや、ほら、撮影したり、メモ取ったりで・・・・・・ゲホゲホッ。(ふう、まさか黒板に書かれるとは・・・・・・出さなくてよかったかも・汗)
続いて、待望の早押しクイズに突入! ペーパークイズのポイントが低いほうから解答席に着き、早押しスタートです。答えられた人、不正解の人はどんどん抜けていってくるくる回ります。一気に、皆さんクイズモードへ。
さっきまでの草食性はどこへやら。
そして、ローリングクイズの後は・・・・・・ひと息つかずに、そのままコース別に突入!!
それでは、コース別のルールをざっくり説明。
しかし、このグループごとのルールもよく考えられています。ゲーム性が増すというか。先人たちの「クイズ愛」が、そこかしこに垣間見えます。
そして、メンバーの皆さんが集中すればするほど、個性が出てくる出てくる。
・・・・・・なんで、大学生が「3年B組金八先生」を早押せるのかがわからない。
「名探偵コナン」から、「モスバーガー」に関する問題、私はまったく聞いたこともない「○○の法則」や歴史的著書やら。・・・・・・正解はもとより問題の意味すらわからない。・・・・・・かと思えば、とつぜん誰もが知っている「網棚」なんて「常識」まで。
その問題の緩急や、問題文の巧さも光りまくりです!!
「問題を自分で作るのも練習になるんですよ」と、大橋さんが言っていたのはそういうことかもしれません。
そして、集中して聞いていると、「これはいける!」という問題が、素人の私にすらやってきます。そのチャンス到来感と高揚感は、集中すればするほど増えてきて、心の中ではもう早押しボタン握りしめまくりです。
そして、先日の取材で教えてもらった、問題の先読み、ボタンを押してから考える、問題を読む人の口の形までよく見る・・・・・・などなど、みなさん実践してるわけです。見ごたえがありました!
ええええっ?! 問題がなくなったってこと?! そんなことって??
まだ、ストックあるんですか・・・・・・。
とうとう、ファイナルラウンド、決勝です!
しかし、この決勝戦、速すぎです。何が? 問題のほとんど出だしの部分で、もうボタンが押されます。・・・・・・このメンバー、全日本強化合宿みたいなもんですかね。きっと。
沈黙→集中→電光石火→笑いと深呼吸、みたいなルーティンがかれこれ2時間以上続いてますが。
そう。今日のメインテーマは、
でした!! 3位までは、サークル名「ムティアス」にちなんだ賞品があるとか。
闘いを終えた、トップ3の顔にようやく大学生らしい笑顔が(笑)。
みんなも、わいわいとしだして、「祭りのあと」感が漂います。
最後に、ムティアスのみなさんの集合写真を撮影です。
さて、外に出ると、あたりはもう真っ暗です。
まさか、3時間ぶっ通しでクイズし続けるとは(ちゃんとした休憩ないし)。
しかし・・・・・・あそこまでみんなを夢中にさせる、クイズってすごい。
本当に、そう思いました。
大きく息を吸って空を仰ぐと、ふと、先日の取材を思い出しました。
・・・・・・長い休みとかは何してるんですか? 旅行とか?
宮原さん「春休みと夏休みも、週3回活動してますよ」
大橋さん「だいたい午後1時から夜9時くらいまで。休憩入れますけど7時間くらい」
・・・・・・ええっ?? な、7時間ですか?!
驚いて、つい聞いてしまいました。「大変」じゃないですか?って。
そしたら、二人に笑われました。
「いや、『楽しい』ですよ」。
・・・・・・そうなんです。今日も、みなさん、とにかく楽しそうでした。
「ボタンの前に立ったら、みんな平等」というか。
「好きだからそこにいる」というか。
例えば、「自然」の前だと、経験とか性別とか、手加減なんて存在しないし、それを求めないですよね。そういう「自由」さを感じちゃったんです。
「ムティアスのポリシーってあるんですか?」と何気なく聞いたんですけど、宮原さんはこう言いました。
「いや何もないんですよ。例会も大会も参加は強制しませんし。どう関わるかはその人の自由なんです。みんな普通に、バイトして、勉強して、学生してますし。・・・・・・でも、よく他の大学からは言われるんですよね。京大(のクイズ研究会)は、大学から始めた人でも強いよね、強くなるよねって」
自分のスタイルで、考えて、進んでいく。楽しみながら。
それってすごいことです。
宮原さんは、「ポリシーがないのがポリシーというか」、なんて定型句っぽく、冗談めかして言ってましたけど、その姿を見たら、納得です。
・・・・・・なにしろ、今や、会長の宮原さん自身、入学当初は「初心者」だったんですものね。
でも、やっぱり、休み中に7時間クイズって・・・・・・
それでは、最後に、問題です。
映画『トレイン・スポッティング』の監督、ダニー・ボイルのハリウッドデビュー作品で、日本公開時のキャッチコピーは、「誘拐 脅迫 強奪 カラオケ 人が愛のためにやること。」で知られる、映画のタイトルは?
そう。みなさん『普通じゃない』ですよ。
・・・・・・わかりますよね?(笑)