2017.03.13
京大農場オープンファーム2016[来て、観て、体験。作物生産のサイエンス]
みなさんこんにちは。
『ザッツ・京大』編集部です。
今年も京都大学で学んだ学生たちが、新たな道へと旅立つ季節がやってきました。
非常に残念ながら卒業式は中止となってしまいましたが、卒業生のみなさんはどのような4年間を過ごし、今どのようなことを思っているのでしょうか。
そこで今回は、以前、『ザッツ・京大』に登場してくださった方々に突撃インタビュー!
大学の魅力や学生生活で熱中したことなどを聞かせてもらいました。
新入生や後輩へのアドバイスも必見です!
最初にお話を聞いたのは、経済学部の淺田恭國さん!
『ザッツ・京大』には3回生のとき、相撲部の主将として登場してくれました。
――淺田さん、今の気持ちを聞かせてください!
「『光陰矢の如し』という言葉の通り、4年間がとても早く過ぎ去ったと感じています。正直、入学前は無為に過ごしてしまうのではないかという不安もありました。でも、勉強面では経済学部内の論文賞である楠若葉賞や優秀卒業論文賞を受賞し、部活動も最後までやり切ることができました。もう少しだけ、この居心地のいい京都大学に残って学生生活を楽しみたいという気持ちもあるくらいです」
――本当に充実した4年間を過ごされたんですね。一番の思い出は何ですか?
「相撲部に入って主将を務めたことですね。
実は、相撲部は人数が少なく、部員間でのやる気の差もあって、一時期はまとめるのがとても大変だったんです。そうしたなかでも、全国学生相撲選手権団体戦や全国国公立大学対抗相撲大会団体戦で優勝できたのは本当にうれしかったです!部の歴史に残る結果を出せたことは、今後の自信にもつながると思います」
――京都大学のキャンパス内でお気に入りの場所は?
「もちろん土俵です!」
――さすがです(笑)。最後に、在学生と新入学生へのメッセージをお願いします!
「相撲部に入ること!」
――やっぱりそこは変わらないんですね(笑)
「(笑)。真面目に答えると2つあります。
ひとつは、自分の本当にやりたいことを考えること。卒業目前で後悔しないように、自分が将来どうなりたいのかを考えながら4年間を過ごしてほしいと思います。
もうひとつは、いろいろなことに関心を持つこと。これから何が起こるかわからないからこそ、食わず嫌いをせずたくさんのことに興味を持ちながら主体的に行動してみてください。特に京都大学にはいろいろな人がいるので、多くの人と接してみてほしいです」
――淺田さん、ありがとうございました!
次は、理学部の藤田菜穂さん。
オーロラの音を研究するため、2回生のときに「おもろチャレンジ」でアラスカに渡りました。
【藤田さんが登場する記事はこちら】
オーロラから「音」がする?! ―分野を超えてアラスカで挑む―
――藤田さん、今の気持ちを聞かせてください!
「4年間があっという間すぎて、もう卒業してしまうなんて信じられません。たくさんの素敵な人たちに出会えて、たくさんの貴重な経験ができました。高3の秋、唐突に『京大に行く』と決断した自分を褒めてあげたいです(笑)」
――4年間で一番熱中したことは何でしたか?
「やっぱりオーロラの研究です。ほとんど見ず知らずのメンバーと1ヶ月間もアラスカに滞在して、長期間にわたって一緒に研究することになるとは、入学前は想像もしませんでした」
――卒業後の進路は?
「京都大学の大学院、理学研究科に進学して、今所属している宇宙物理学の研究室でそのまま惑星の研究を続けます。
惑星に興味をもったのも、オーロラの研究がきっかけだったんです。地球以外の惑星でもオーロラが発生しているということを知り、どのような惑星であればオーロラが発生するのかなどについて議論したり調べたりしているうちに、興味を惹かれるようになりました」
――オーロラの研究から別のテーマにつながったんですね! 最後に、藤田さんが「ザッツ!京大」と思うことを教えてください。
「おもろい人にたくさん出会えること!
強い個性をもった人を排除するのではなく、『おもろチャレンジ』や『変人講座』などのようにプラスに捉えて尊重されるところが、京都大学の魅力だと思います」
――藤田さん、ありがとうございました!
続いては、法学部・長浜拓哉さん。
『ザッツ・京大』では、長浜さんが体育会ヨット部の主将を務めていたときに取材させてもらいました。
【長浜さんが登場する記事はこちら】
――長浜さんが4年間で一番熱中したことを教えてください。
「ヨット部での活動です。主将として、クセのある京大生をひとつの方向に向かって率いるのには苦労しました(笑)。
でも『全日本学生ヨット選手権(全日本インカレ)で6位以内入賞』という目標を立て続けていて、最終学年で総合5位という結果を残すことができたんです。僕が所属するスナイプ級では37年ぶりに優勝することもできて、心から満足しています!」
――歴史あるヨット部でも本当にすごい快挙ですよね! 京都大学で得た、一番大きな収穫は何でしたか?
「自分と波長が合う人だけではなく、合わない人とも関わることができたという経験です。高校時代は人間関係を取捨選択しがちだったんですけど、ヨット部の主将を務めてみて、その考えはご法度だと気づきました。人と壁をつくらずに、ときには自分から折れたりもしながら人間関係を構築した経験は、これから仕事をしていくうえでも力になるのではないかと考えています」
――最後に、長浜さんが「ザッツ!京大」と思うことを教えてください。
「京大生は自由に考え抜くことができる集団だと感じています。
『自由』は英語だと『freedom』もしくは『liberty』と訳されます。前者は受動的、後者は能動的なイメージと語られることが多いのですが、僕にとっての自由は後者。自分が『やりたい』と思うことがあれば外部からの干渉に抗ってでも掴み取る、権利のようなものだと考えています。ただ、周りにあるすべてが干渉というわけではなくて、ときには助け舟になることもあるはずです。周囲にあるそうした力を自らの意志に従って取捨選択しながら、理想に近づいていくこと。それこそが自由だと、京都大学での4年間を通して思うようになりました」
――長浜さん、ありがとうございました!
次にお話をうかがったのは法学部・宮原仁さんです。
京都大学クイズ研究会「Mutius(ムティアス)」の会長として、3回生のときにお話を聞かせてくれました。
【宮原さんが登場する記事はこちら】
コンマ数秒の熱狂! 日本最強レベルの○○○研究会!!(「○○○」って何だ?!)
――宮原さん、さっそくですが質問です! 4年間で一番熱中したことといえば……?
「もちろんクイズです。2年生のときにクイズ研究会の代表として団体戦に参加し、大学日本一になれたのは最高の思い出。入会した当初は雲の上の存在だと感じていた先輩たちと一緒に戦い、自分なりに勝利に貢献できたのがすごくうれしかったです」
――京都大学での一番の収穫は何ですか?
「クイズ研究会の活動に熱中できたことです。こんなにもひとつのことに没頭していられるのは学生の間だけだと思うので、とても貴重な経験ができました。
さらにいえば、研究者や官僚を含め、いろいろな方面に友人ができたことも大学生活での収穫ですね」
――京都大学の魅力って、どういうところにあると思いますか?
「いろんな人と会えますし、みんなそれぞれにすごい長所や特技をもっているので、端的に通っていて『楽しい』ことです」
――最後に、在学生と新入学生へのメッセージをお願いします!
「大学では長期休暇が多いので、積極的に遠出をするとよいと思います。学年が上がったほうがいろいろ落ち着くかと思うかもしれませんが、上の学年になればそのときなりに忙しくなります。旅行に限らず、やりたいことは早めにやっておくのがおすすめです。
それから、TOEIC・TOEFLといった英語の検定試験は受験時代の勢いが残っているうちに受けたほうがいいですよ」
――実用的なアドバイスですね(笑)。宮原さん、ありがとうございました!
続いては、農学部の北川直也さんです。
居合道部の取材をさせてもらったとき、当時3回生だった北川さんが主将を務めていました。
【北川さんが登場する記事はこちら】
参上! 居合道部の華 -団体準優勝&個人3位の最強女性剣士-
――北川さん、大学生活で一番熱中したことは何でしたか?
「やっぱり居合道部の活動です。特に2回生から4回生まで、6回も試合の団体戦に出場したことが思い出深いですね。最初の頃は先輩に言われるがまま、よくわからずに出ていたのですが(笑)、だんだんと部を代表することの重みと楽しさを感じるようになりました。
3回生になってからは、主将というメンバーを束ねる立場で出場。稽古を通して、人を育てることや自分にさらに磨きを加えることの難しさと楽しさを学びました。その結果、2回の優勝に貢献できたのもうれしかったです」
――すばらしい戦績ですよね。キャンパス内でも思い出の場所は?
「居合道部の稽古をしていた第二武道場ですね。あの場所で人と出会い、成長しました。稽古では悩み苦しんだこともありますが、必死になったからこそ多くの大会で活躍できたのだと思います」
――卒業にあたり、今の気持ちを聞かせてください。
「正直にいえば、このまま大学生でいたいですね(笑)。自分の好きなように時間が使えますし、やりたいことだって気力さえあれば何だってできるので。
大学で『やりたいこと』を消化しきれなかったという未練もあるのですが、これからは社会に出て『やるべきこと』に立ち向かっていかなければなりません。『やりたいこと』と『やるべきこと』の両輪をうまく繋げることが、これからの僕の課題です」
――最後に、在学生と新入学生へのメッセージをお願いします!
「逆説的ですが、大学生は時間がありますが、時間がありません。自由な時間がたくさんあるのは事実ですが、それが当たり前と思ってのんびりしていたら、本当にやりたいことができなくなります。貴重な時間を無駄にしてしまわないように、『大学生には時間がない』と思って行動してください」
――北川さん、ありがとうございました!
今度は、文学部の岩松佳那さん!
地理学を専門的に学びながら、「おもろチャレンジ」でフランスへ。1ヶ月にわたりパンの調査を行いました。
【岩松さんが登場する記事はこちら】
――岩松さん、大学生活の一番の思い出は何でしたか?
「やっぱり、フランスでパンの調査をしたことです。そのとき知り合ったフランス人女性の生き方を目の当たりにして、日本とは異なる女性観に衝撃を受けました。その結果、卒業論文では日本のジェンダー課題について考えることに。自分自身の将来を考えるきっかけにもなりました。まさに、学生生活のターニングポイントでした」
――4年間で熱中したことは?
「ひとり旅です。おもろチャレンジを通じて、ひとりで外国に行くことの楽しさと気軽さに目覚めてしまって(笑)。アルバイトでお金を貯めて、長期休暇の度に1か月ほど海外に滞在しました。海外に行くと凝り固まった思考のクセがリセットされて、客観的に自分を見つめ直すことができる気がします。学生の間にそうした時間をもてたのは、貴重な経験でした」
――京都大学での一番の収穫は何ですか?
「ひとつは、好きなことをとことん追求している人たちに出会えたこと。これからは就職したり大学院に進学したりして、それぞれ別の道を進んでいきますが、みんな各分野で活躍するはずです。尊敬する友人たちに負けないように、私もがんばります。
もうひとつは、学問に対する姿勢です。少しでも興味をもったことがあれば、貪欲に調べて自らの知識にして、さらにそれを活用して新たな知を生み出す。京大で学んだこの姿勢は、社会に出てもきっと活かせると思っています」
――岩松さん、ありがとうございました!
最後を飾るのは、工学部の町野友哉さん。
京都大学アメリカンフットボール部「ギャングスターズ」でコーチを務め、アメリカの世界最高峰プロリーグ「NFL」選手を目指しています。
【町野さんが登場する記事はこちら】
前人未到!アメフト最高峰「NFL」への挑戦~一番足の遅かった男が「スピード」で世界と戦う~
――町野さん、今の気持ちを聞かせてください。
「長いようであっという間の大学生活でした。入学したときはこんなにアメフト一色の大学生活になるとは夢にも思わなかったのですが、部活動を通してたくさんの尊敬できる方、おもしろい方に出会うことができ、人間的に成長できたと感じています。特にアメフト部の前監督・西村大介さんと、現ヘッドコーチ兼ゼネラルマネージャーの三輪誠司さんにはお世話になりました」
――大学生活の一番の思い出は何でしたか?
「4回生時の最後の関西学院大学戦です。京大アメフト部にとって、関学は昔からの特別な相手。僕も関学に勝って日本一になることを目標に、4年間本気で取り組んでいました。その最後のチャンスとなる関学戦は、今までの全人生・全人格をかけての戦いだったんです。試合前のアップのときには気持ちが昂りすぎて、僕を含めたほとんどの4回生が泣いていました。結果は負けてしまいましたが、あの試合で感じた感情は一生忘れません」
――卒業後の進路は?
「富士通に入社して、アメフトの社会人チーム『富士通フロンティアーズ』でプレーを続けます。そして働きながら日本人初のNFLプレイヤーを目指します!」
――応援します! 最後に、町野さんが「ザッツ!京大」と思うことを教えてください。
「京都大学には選択肢がたくさんあって、そのなかのどれを選んでも自分次第で無限に可能性が広がります。『京大は自由』ってよく言われるのは、そういうところだと僕は思っています。」
――町野さん、ありがとうございました!
夢中になれることを見つけたみなさんにとって、大学生活は「長いようで短い」ものだったようです。
人との出会いを大切にしながら、やりたいことをやる。
充実した大学生活を送った先輩たちの言葉からは、そんなことが感じられるのではないでしょうか。
卒業生のみなさん、本当におめでとうございます!
そして、在学生や新入生、京大に興味をもってくださるみなさんも、是非「ザッツ!」な日々を送ってくださいね!
(※京都大学体験型海外渡航支援制度 ~鼎会プログラム「おもろチャレンジ」~は2020年度で終了しています。)