2021.10.27
SDGsとは何だろう?未来のために私たちができること
こんにちは!
ザッツ・京大編集部です。
早いもので、もうほぼ10月です。
徐々に、大学入試への空気感が本格化してきます。
そう……
はい。ビジュアル、どん!
さて。そんな気になる特色入試。
編集部ができることと言えば。
さて。特色ある入学者……どなたにお願いしようかと考えていたところ…………ある動画に燦然と輝くこのテロップ。
……これはっ!!!
京都大学の体験型海外渡航支援制度「おもろチャレンジ」の動画の一コマ。
動画によると……福田千恵子さん、1回生から大学の留学支援制度を活用する積極性はもちろんですが、「食と女性の社会進出」というテーマの社会性。そして、埼玉県からはるばる京都にやってきたフットワーク。
……福田さん、お願いします!!
京都大学生が、自分で渡航先や活動内容を計画。その「海外で学ぼう!」という意欲を大学が支援する制度。
「おもろチャレンジ」特設サイト:http://www.kyoto-u.ac.jp/voice/omoro/
福田さんはもちろん、他のおもろチャレンジャーも、かなり「おもろい」ので要チェックです!
福田さんは、現在、経済学部の二回生。埼玉県の出身で、そもそもは東京大学を志望していたとのことです。そんな彼女が京都大学の特色入試を知ったのは高校3年生の夏。
「こういうの、あるみたいよ」。福田さんのお母さんは、受験直前には緊張しまくっているはずの福田さんを見越して「ちょっとしたリラックス――京都旅行の口実になるんじゃない?」と話したそうです。
「12月に京都に出かける」――ふとした、はじまり。
でも、だんだんと「自分が行くべきなのは京都大学なのでは?」と福田さんは思うようになったと言います。
福田さんは、特色入試に何を見たのでしょうか?!
――もともとは東大志望だったんですね。最終的に京大に惹かれたのは何故ですか?
福田さん「そうですね。出願書類の「学びの設計書」で、高校までのこと、志望理由、大学でしたいこと、将来やりたいことを書くんですね。それを考えているうちに、自分にとって大切なことが明確になったんです。私は学生起業がしたかったので、大学では、学び方も時間も自分で考えて決められる「自由」――それが大事だなと。京大の「自由」が私には向いていると思ったんです」
――なるほど。ちなみに、中学・高校のときはどんな学生だったんですか? 何かすごい受賞をされたとか?
福田さん「いえ。特別な何かはないです。中高は部活中心で、頭の中はバスケのことばかり。……だから、もともとは成績も良くなかったですよ。高校一年生のとき、初めて受けた模試は偏差値38だったんです(笑)」
――えっ? 現役で京大合格の福田さんが??
福田さん「はい(笑)。さすがに……これは……と思って。それで、決めたんです。もう、どうせなら東大に入ろうって。そこからは、気合ですね(笑)。バスケも3年生の先輩の引退と同時に、自分も2年生で辞めることを決めて。でも、そうして前向きに動けたのは、親のおかげだと感謝しているんです。私の親は、「やりたい!」って言ったら、いつも「できる、できる」って言ってくれる。それこそ、偏差値38のときも(笑)。そうして信じてもらったら、あとはもう全力でやるしかないですよね」
さらにお話を聞いていくと、福田さんは、子どもの頃、お父さんのお仕事の関係で、台湾で暮らしていたそうです。「なので出願書類には語学検定は書きましたけど、それ以外の特別な受賞みたいなのはなくて」と控えめな答え。それでは、福田さんが自身が思う「強み」ってどこだったんでしょう?
京大の好きな場所のひとつ「京大サロン」にて。「おもろチャレンジも、興味のあった留学セミナーに行ってみて、そこで知ったんです。今年は「京大生チャレンジコンテスト(SPEC)」にも応募したんですが……落選。でも、失敗の原因はわかったので、次の成功に役立てます!」
――特色入試を振り返って、「自分の強み」、「特色」って何だったと思いますか?
福田さん「強みですか……うーん。勢い。行動力。やってみること。ただ、日々の生活は本当に部活と勉強の毎日で。たまに半日でも休みがあるときに、興味のあった起業体験プログラムに参加したり、JICAの記者体験をしたり。その活動は書類には書きましたけど……」
と、福田さんは少し答えに迷っています。
……いや、語学も忙しい合間を縫っての活動も、すごいと思うんですけれど……。
では。と「学びの設計書」を見せてもらいました。「今よりさらに未熟なときに書いたものなので……」と福田さん。皆さんに公開はできませんが、編集部の主観で言いますと。これまでの活動と得てきた経験や考え、これからの「やりたいこと」が、具体的に繋がっている。無理矢理な感じがないので、とにかく読みやすい。……すみません、福田さん……論理的――内容もですけれど、「伝える」のがとても上手だと思うのですが……何か文章をよく書かれていたんでしょうか。すると「小論文の勉強以外に、特には……。ただ、新聞の投書はよくしてました(笑)。高校の行き帰りにスマホで400字くらいに考えをまとめて」。……それ、活きてるんじゃないでしょうか。。
――ところで、「学びの設計書」を書き終えたとき、「ああ! 設計した!」みたいな充足感はありましたか?
福田さん「私は、なかったです(笑)。ただ、今、すごい思うんですけど、「学びの設計書」が活きたなと思ったのは、入学後です。あれを書いたから、自分が何をしたいのかイメージができていて。だから、入学してすぐに行動できたんだと思います」
福田さんは入学してからも、その言葉通り積極的に動いています。「その気になれば、4回生の専門科目や大学院の授業も聴講できるのは本当にうれしい。単位にはならないですけど(笑)」。……大学を活かしまくってますね。すごい。
生協の本屋さんもお気に入り。「今は、古典、文学、学術……なんでも、時間を超えてきて、たくさんの人から良いと言われているものをきちんと読んでおこうと思ってます。図書館も大好きな場所で、夜12時くらいまで利用しています」
――大学生活、充実してそうですね。「起業」のほうはどうですか?
福田さん「実は、学生起業はすこし考え直しているんです。入学してから、いろいろな起業家の方にお会いする機会に恵まれて。関西でも関東でも。人数ですか? ……30人くらいです。それで、すごい方というのは、こう……人間的な魅力がとてもあるんですね。だから、私は、まずはもっと魅力的な人間になりたいと思うようになって。それで、考えたんです。学生の今だからできること、いろんな知識や教養、経験をもっと身に着けたいって」
――本当に動かれているんですね。それに、出会いによって変化できるというのも、すごいことだと思います。そして、さらなる知識や教養ですか。
福田さん「そうですね。私はきちんとしたインプットがあるから、いろんなものと繋がれるアウトプットができると思っていて。大学での「学び」はおもしろいですよ。授業も高校とは違って「なんでだろう?」では終わらない。深めていくし、重たい。だからこそ、興味深いし、しっくりくるんです」
福田さんは、実は、話の「動き」も速い。「今」の考えを口にすることをためらわないで、その先の変化を大事にしている感じです。言葉も考えも「行動的」。そんな、パッと動ける福田さんに、ふと「自信」について聞いてみました。
――特色入試を受けたとき、自信はあったんですか? あ。これは受かったかも、とか。
福田さん「それは、あまり考えたことなかったですね。……小論文の試験も「できた!」というより「自分の意見を書き切った!」という感じですし。ただ、「学びの設計書」は、私は志望校が変わるくらいに「京大は自分に合っている」と信じられましたから。……だから、「自信」って、例えば試験への手ごたえとかとは違うもので――そのままなんですけど、自分をどれだけ信じられるか、かなって。だから、「自信」に根拠なんていらないんじゃないかと。特色入試なら、「自分は京大に欲されている」。本当にそう信じられたら、もう「勝ち」ですよ(笑)」
――なるほど。福田さんが言うと、「過信」じゃなくて「自信」として説得力があります。きっと、いろんな行動と考えから出てきた自分の言葉だからですね。素直に、すごいと思います。
福田さん「いや、そんなことはないですよ。私は……なにしろ、わかっていないことも多くて。あの、役所で「京都」って住所を書くときに、「京」だけ書いて、「都道府県」の「都」にマルをして、提出してしまったり……(笑)。だから、今も、特色入試の入学者の取材が、本当に私でいいのかって……」
――そこは「自分を信じて」ください!(笑) まちがいなく、「特色」にあふれているんですから。
(※京都大学体験型海外渡航支援制度 ~鼎会プログラム「おもろチャレンジ」~は2020年度で終了しています。)